96(連問の3問目) A さん(38歳、会社員、女性)脳腫瘍のため開頭術を受けた
脳腫瘍摘出手術の結果、膠芽腫と診断され、A さんは放射線療法と抗癌薬内服による化学療法を行うことになった。
放射線療法と化学療法が開始されて 10 日が経過した。A さんはガーデニングの趣味があり、庭が気になるため週末の外泊を希望し、主治医から許可が出た。 外泊にあたり A さんへの説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
1.「入浴は控えてください」
2.「食べ物の制限はありません」
3.「ガーデニングの時は手袋をしてください」
4.「発熱を伴わない咳は様子を見てください」
5.「性交渉の時はコンドームを使用してください」
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3.「ガーデニングの時は手袋をしてください」5.「性交渉の時はコンドームを使用してください」
放射線療法や化学療法による遅発性の副作用に、二次がんがある(正常細胞にも傷をつけた結果、治療を終えた数年後〜数10年後に別の腫瘍ができる可能性がある)。
→対策:
①発癌因子を抑える
日光暴露‥紫外線対策をする(屋外では帽子着用、日焼け止めの使用)
禁煙
②定期検診
定期的に検診を受けることが大切です。定期受診を続けましょう。
×治ったと思って、病院に行かなくなる
化学療法薬の副作用に、骨髄抑制がある。骨髄細胞も細胞増殖が活発な細胞のため、抗がん剤によって、血球は減少する。
白血球減少:免疫力低下
→感染に注意する
手洗い・うがいの励行
3.「ガーデニングの時は手袋をしてください」
→土壌細菌への対策
5.「性交渉の時はコンドームを使用してください」
→性感染症への対策
1.「入浴は控えてください」
清潔を保つために、入浴は必要。ただし、長湯をすると疲れるので、適度に。
2.「食べ物の制限はありません」
白血球が減少しているときは、食品からの感染予防のため、生鮮食品や自家製の発酵食品の摂取に制限がある。
☆食事制限を緩和するために、工夫された食品も開発されているので、患者様の食べたい意志を尊重するためには、「工夫された製品」を活用するのも、今後必要な一つの方法だと思います。(例)加熱寿司
4.「発熱を伴わない咳は様子を見てください」
がん治療に伴う咳の原因にはいくつか考えられる。
・放射線療法:放射線肺臓炎・・・放射線を肺に照射した後、間質に炎症が起きた
・化学療法薬の副作用:
・薬剤性の肺障害(間質性肺炎など)・・・代表例)ゲフィチニブ
・心毒性:肺うっ血からの咳・・・代表例)アントラサイクリン系抗癌剤:ドキソルビシン
・貧血(赤血球減少):咳・息切れ・呼吸苦・・・代表例)化学療法薬全般
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がん治療中の注意点については、「【補足】4-2 抗悪性腫瘍薬/支持療法①」の白血球減少を参照
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