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110回 看国試 A057

057

更年期女性のホルモン補充療法によってリスクが低くなるのはどれか。

 

1.乳 癌

2.骨粗鬆症

3.子宮体癌

4.静脈血栓症

 

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2.骨粗鬆症


1.乳癌
ホルモン補充療法により、リスクは高くなる可能性がある。
乳癌のうち、エストロゲン依存性に増殖するタイプではエストロゲン補充によりリスクが高くなることが懸念されてきた。ただし、これまでの検討の結果、「乳癌リスクに及ぼすホルモン補充療法の影響はとても小さい」といわれている。

2.骨粗鬆症
ホルモン補充療法により、リスクは低くなる。
ホルモン補充療法は、卵胞ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下した女性に対し、症状の緩和や疾患の予防のために、エストロゲンを補う療法である。
エストロゲン欠乏が骨粗鬆症の要因であり、補充することでリスクは低くなる。

3.子宮体癌
ホルモン補充療法により、リスクは高くなる可能性がある。
ただし、エストロゲンといっしょにプロゲステロンを補充すると、そのリスクは軽減される。
リスクを増加させないようなホルモン補充療法が開発されている。

4.静脈血栓症
ホルモン補充療法により、リスクは高くなる可能性がある。
エストロゲンは、血液凝固系を活性化するため、静脈血栓症のリスクが高くなる。初発症状を伝えた上で、静脈エコーなど定期的な検査をする。
血栓症の予防)
・長時間の座りっぱなしを避ける
・こまめに水分補給する
・飛行機に乗っているときは、アルコールを飲まない(脱水を起こすため)
・適宜、着圧ソックスの利用 など