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110回 看国試 A017

017

カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。

 

1.牛 乳

2.納 豆

3.ブロッコリー

4.グレープフルーツ

 

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4.グレープフルーツ


1.牛 乳
牛乳は、テトラサイクリン系抗菌薬と結合し、吸収を阻害するため、テトラサイクリン系抗菌薬の血中濃度が低下する。
【対策】同時摂取をさける

2.納 豆
納豆は、ビタミン K を豊富に含むことに加えて、ビタミン K 合成酵素を含んでいる。
ビタミン K は、抗凝固薬であるワルファリンの作用に拮抗するため、ワルファリンの薬効が減弱する。
【対策】ワルファリン服用中は、納豆の摂取は禁止。納豆、クロレラ、青汁は×

3.ブロッコリー
ブロッコリーは、野菜の中でもビタミン K の含有量が多い。
ビタミン K は、抗凝固薬であるワルファリンの作用に拮抗するため、ワルファリンの薬効が減弱する。
納豆とは異なり、摂取禁止ではなく、ワルファリンの薬効を安定的に得るためには、摂取量の変動を抑えることが重要である
濃い色の緑黄色野菜は小鉢程度、というのが目安
(例えば、家庭菜園で育てており、収穫時期のみに、ボール一杯、たくさん摂取する、などは NG)変動が×

4.グレープフルーツ
グレープフルーツの果皮や果肉に含まれる成分が、代謝酵素 CYP3A4 を不可逆的に阻害するため、CYP3A4 で代謝される薬物の血中濃度が上昇する。
カルシウム拮抗薬は代謝酵素 CYP3A4 で代謝されるため、グレープフルーツを摂取していると、薬の血中濃度が上昇する。

参考)

解説のページ「食品と薬」