· 

108回 看国試 B016

 16

緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。

 

1.コデイン

2.アスピリン

3.アトロピン

4.フェニトイン

 

クリックして回答を見る

1.コデイン
コデインは中枢性麻薬性鎮咳薬である。
主な副作用には、眠気、めまい、嘔気・嘔吐があるが、モルヒネと同様、便秘をきたすことがある。(大腸の蠕動運動を抑制するため)

2.アスピリン
アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一つで、疼痛、発熱、炎症の治療の他、低用量では抗血小板薬として用いられる。
副作用として胃腸炎や気管支喘息、低用量では出血傾向がある。

3.アトロピン
抗コリン作用(副交感神経遮断作用)を有する薬剤では、隅角閉塞を起こし、急性緑内障発作を起こす可能性があるため、緑内障患者への投与は禁忌である。ただし、緑内障の中でもその危険性があるのは閉塞隅角緑内障のみであるため、2019年5月に添付文書改訂が行われ、大半の抗コリン薬の禁忌は閉塞隅角緑内障のみに限定された。

アトロピンは副交感神経の作用を抑制する抗コリン薬であり、平滑筋弛緩や気管支分泌物抑制作用があることから、麻酔前投薬として用いられる。散瞳薬としても用いられるが、眼圧が上昇するので、緑内障では禁忌となる。

4.フェニトイン
フェニトインはてんかんの治療薬として用いられる。
副作用に、眼振、幻暈、嘔気、失調、振戦、小脳障害、歯肉増殖などがある。