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108回 看国試 A095

(連問の2問目)Aさん(37歳、女性、会社員)身長155cm、体重55kg

入浴中に右胸のしこりに気づき、受診し、右乳癌と診断された。

 

Aさんは、乳房温存療法を希望したが、腫瘤が大きいため手術前に化学療法を受けることになった。術前化学療法としてEC療法(エピルビシン、シクロホスファミド)を3週ごとに、4サイクル受ける予定である。

 

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Aさんに起こりやすい障害はどれか。

 

1.嗅覚障害

2.リンパ浮腫

3.卵巣機能不全

4.末梢神経障害

 

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3.卵巣機能不全

〔解説〕
1.嗅覚障害
嗅覚障害は、フルオロウラシルを用いた化学療法で起こりやすい。

2.リンパ浮腫
リンパ浮腫は、リンパ節郭清や放射線治療などの合併症として起こることがある。

3.卵巣機能不全
乳がんの薬物療法には、ホルモン療法(ホルモン受容体陽性の場合)、分子標的薬(抗HER2たんぱく抗体など)、細胞障害性抗がん薬(アンスラサイクリン系、タキサン系)が用いられる。
シクロフォスファミドは、脱毛、白血球減少は特に注意が必要で、その他、吐き気、卵巣機能障害にも注意が必要である。40歳未満では約半数が、化学療法終了後月経が復活するが、40歳以上ではそのまま閉経することが多いため、妊娠希望がある場合は、事前に医師に伝える必要がある。また、エピルビシンは、特に、吐き気、脱毛、白血球減少に注意が必要。

4.末梢神経障害
末梢神経障害は、パクリタキセルなどタキサン系の抗がん薬で起こりやすい。