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108回 看国試 A084

84

アセチルコリンで収縮するのはどれか。2つ選べ。

  

1.心 筋

2.排尿筋

3.腓腹筋

4.立毛筋

5.瞳孔散大筋

 

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2.排尿筋
3.腓腹筋

〔解説〕
1.心 筋
心筋は、刺激伝導系からの電気刺激を受けて、Ca2+ の流入をきっかけとして一定のリズムで収縮し、拍動している(自動能=心臓は独自に拍動することが可能である)。これを心臓外からコントロールするのが交感神経系/副交感神経系であり、「アセチルコリンが収縮させる」というわけではない。

2.排尿筋
アセチルコリンは、神経伝達物質の一つであり、運動神経終末、交感神経の節前神経終末、副交感神経の節前・節後神経終末から放出されている。
排尿筋は、自律神経の支配を受けている。副交感神経の刺激をうけ、神経終末から放出されるアセチルコリンの作用で収縮する。

3.腓腹筋
アセチルコリンは、神経伝達物質の一つであり、運動神経終末、交感神経の節前神経終末、副交感神経の節前・節後神経終末から放出されている。
腓腹筋は下腿三頭筋にある骨格筋である。骨格筋は、運動神経の末端から放出されるアセチルコリンの作用で収縮する。

4.立毛筋
立毛筋は、自律神経支配の例外の一つ。交感神経のみで調節されており、交感神経終末から放出されるノルアドレナリンの作用で収縮する。(汗腺も交感神経のみ。かつ、節前神経・節後神経ともにアセチルコリンを放出する。)

5.瞳孔散大筋
瞳孔調節も自律神経支配の例外の一つ。一つの器官を交感神経と副交感神経が相反的に調節しているのではなく、瞳孔散大筋は交感神経が、瞳孔括約筋は副交感神経が調節している。瞳孔散大筋は、交感神経終末から放出されるノルアドレナリンの作用で収縮し、瞳孔は大きくなる(散瞳)。瞳孔括約筋は、副交感神経終末から放出されるアセチルコリンの作用で収縮し、瞳孔は小さくなる(縮瞳)。