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107回 看国試 A045

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A さん<56 歳、男性>は、化学療法後の血液検査にて好中球数 300/mm3 であっ た。 A さんの状態で正しいのはどれか。

 

1.入浴を控える必要がある。

2.日和見感染症のリスクが高い。

3.口腔ケアには歯間ブラシを用いる必要がある。

4.化学療法の開始前と比べリンパ球数は増加している。

 

クリックして回答を見る 正解:2.日和見感染症のリスクが高い。

白血球数の正常値は、3100-8400 /mm3(人間ドック学会の定義)

抗癌薬のうち化学療法の副作用として、血球減少がある。中でも、好中球は異物の貪食で重要な役割を果たしている。好中球が減少すると、細菌や真菌などの病原体を排除できないため、感染症を起こして発熱したり、一度感染症を起こしたら、治りにくい・重症化しやすい・長引きやすい傾向がある。化学療法後は、特に好中球減少に注意が必要。
化学療法に伴い、好中球が 500 /mm3 未満に低下している時に、体温が 37.5℃以上に発熱した状態を「発熱性好中球減少症」と呼ぶ。 1.入浴を控える必要がある。
清潔を保つために、適切な入浴は重要
2.日和見感染症のリスクが高い。
(正)感染予防のため手洗い・うがいの励行を始め、予防に注意する。
3.口腔ケアには歯間ブラシを用いる必要がある。
血小板減少のため、出血傾向の可能性がある。清潔は重要だが、歯間ブラシの使用は控え、歯ブラシで優しくブラッシングする。
4.化学療法の開始前と比べリンパ球数は増加している。
骨髄細胞は細胞分裂・増殖が活発な細胞であるため、化学療法薬の影響で、細胞数が減少する。