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血液製剤/保存

特に、血小板製剤が特徴的なので、きちんと理解しておきたいところ。

保存方法について

なぜ「凍結」させてはいけないか

 

ペットボトル入りの飲料を凍らせると膨張するように、水は液体から固体(氷)になると、体積が増加します。

そのため、細胞(ここでは、血球)を凍らせると、膨張に耐え切れず破裂します(溶血)。

 

血球を含む血液製剤を凍結してはいけません。

 

血小板製剤について

①血小板は不安定

 

血小板は不安定で、生体内における寿命も約10日です。

 

 

②凍結・低温は不可

 

低温で保存すると、形態変化(元には戻らない)をおこし、生体内での寿命が短くなります。

さらに、低温で長期間保存すると、止血効果が低下します。

 

そのため、低温で保存することができません。

 

③保管中は、水平振盪する

 

血液バック中で酸素が不足すると、嫌気的解糖の反応がおこり、乳酸が蓄積します。

血漿中の重炭酸(HCO3-)が十分ある時は緩衝される(二酸化炭素と水に変換される)が、この緩衝能を超えて、乳酸が産生されると、pH が急激に低下します。

pH が低下すると、輸血の効果が低下します。

 

そのため、水平振盪することで、下記の効果があります。

・血小板の周りの乳酸が拡散される

・血小板製剤の血液バックはガス透過性があるが、振盪するとガス交換が促進されるので、pH 低下が抑えられる

 

ただし、6時間程度は静置状態でも変化は少ないと言われており、輸血中は振盪しなくても良い(なんらかの事情で輸血中断になった場合、中断中は振盪が必要)。